2021/10/09(土)
〜筋筋膜性腰痛のセルフケアはどうやるの!?Part1
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〜筋膜のくっつき、ねじれを改善するために〜
筋膜のセルフケアは、腰痛の原因となっている部位に圧迫を与えながら動かすのが基本です。
皆さんの中には、これまで筋トレや指圧など、「動かすだけ」「押すだけ」といったアプローチをしてきた方がいらっしゃるかと思います。
それらも筋膜のくっつきやねじれをほぐす効果はあるのですが、あくまでも瞬間なものであって、本当に改善できているわけではありません。
〜なぜ圧迫するの?〜
圧迫による刺激を腰痛の原因となっている筋膜に加えると、その刺激が脳に伝わり、慢性的な痛みを引き起こす神経を抑制されるからです。
〜なぜ、圧迫しながら体を動かすの?〜
圧迫しながら体を動かすと、筋膜のねじれやくっつきがしっかりとほぐれ、筋膜本来の柔軟性を取り戻します。そうすることで初めて、筋膜の滑りが良くなるのです。
〜筋膜セルフケアの前に重要なこと〜
それは腰痛の原因を見極めることです。
「見極めなんて面倒!」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずやる必要があります。なぜなら、どんな治療をするかということよりも、腰痛の原因を正しく見極めることの方が腰痛を改善する上では大切なのです。
見極め自体もそう難しくはありません。前回の記事でお伝えしたように筋膜はウエットスーツのように全身に張り巡らされています。それゆえに、「腰が痛い」と感じていても、実際には肩やお尻といった場所で筋膜のねじれやくっつきが発生し、そこに引っ張られる形で腰に痛みが出ているということが多々あります。そこで見極めを行っていただくことで皆さんの腰痛がどこに引っ張られて発生しているのかを探っていく、というわけです!
〜筋筋膜性腰痛の原因の見極め方〜
腰痛の原因は首、肩甲骨、お腹、お尻、4つの部位をそれぞれ圧迫しながら身体を反らしたり、丸めたり、足を動かしたりすることで、瞬間的に筋膜がほぐれた身体の状態を再現して見極めていきます。圧迫しながら身体を動かしてもらって最も痛みが軽減された部位が腰痛の原因となってます。
なぜ首、肩甲骨、お腹、お尻の4カ所なのかというと、現代は長時間の立ち仕事や座り仕事が多いため、この4カ所の筋膜や筋肉は他の部位に比べて圧倒的に固まりやすい傾向があるからです。実際に、慢性的に腰痛に悩む方の約85%がこの4カ所のうちどれかが原因で腰痛を引き起こしていて、筋膜セルフケアによって腰痛が改善された研究データがあります。
ただ、この見極めをするにあたって1点注意点があります。それは、押す力です。筋膜や筋肉は身体の奥深くまで続いているため、圧をしっかりかけなければ変化が生まれないのです。各部位を圧迫する際は筋膜や筋肉のくっつきや固まりを一時的に潰すというイメージで、我慢できるギリギリの強さで押してください。基本的に一人でできますが、力を入れながら身体を動かすのが難しい場合は、ご家族や周囲の方の協力があるとスムーズ、かつ簡単に行えます。
〜具体的な圧迫箇所〜
①首
具体的には肩甲挙筋を圧迫します。肩甲挙筋は簡単にいうと、頸椎の側面から肩甲骨の上部にかけて繋がっている筋肉です。この辺は僧帽筋や斜角筋、上後鋸筋などが存在していて筋膜が絡まりやすいポイントになります。
ポイントの探し方は乳様突起という耳たぶの後ろに出ている大きな骨から、指を下へとずらし、ちょうど肩に当たる部分を圧迫すれば触ることができます。
②肩甲骨
具体的には肩甲骨下角の内側を圧迫します。そこには僧帽筋や、菱形筋、脊柱起立筋、広背筋といった背中の筋肉が存在し、当然筋膜も存在します。肩甲骨は背中の上方、ちょうど胸の真後ろに位置する骨で、逆三角形の形をしています。その3点の角のうち、下方にあたる頂角を下角と言います。その内側のポイントを壁で圧迫し腕を可能な限り大きく前後に10回ずつ回します。
③お腹
具体的には大腰筋を圧迫します。大腰筋は、腰椎から大腿骨の上方内側に続く細長い筋肉です。このポイントは腹直筋や内・外腹斜筋、腹横筋などの筋肉が存在し筋膜もあります。
ポイントの探し方は、おへそから指4本分横に行ったところになります。
大腰筋はお腹の奥にあり、圧迫するには非常に深いところまで手を押し込まなければいけません。お腹の手術を6ヶ月以内にされた方や腹部大動脈瘤、腸に問題がある方や妊婦はこの見極めは行わないでください。
④お尻
具体的には大臀筋を圧迫します。大臀筋はお尻で最も大きい筋肉です。仙骨や尾骨、腸骨稜から大腿骨後面と腸陘靭帯という、骨盤から膝へとつながる靭帯につながっています。ポイントの探し方は上後腸骨棘という骨(骨盤の後ろにある出っ張り、赤丸の部分)から外側に指3本、そこから上に指3本いったところになります。
いかがでしたでしょうか?これらはすべて自分で簡単にできるものですので、ぜひ試しにやってみてください!
次回は、筋膜のくっつき、ねじれがある場所がわかったら、そこを実際にリリースするやり方をお伝えします。